第11回ゼミ報告

7月3日の第11回目のゼミでは、まず柳沢君が郵政グループ3社が株式上場を申請したという記事を発表してくれました。郵政が上場することで、新たな投資家を呼び込むきっかけとなることや、安定配当の銘柄となり得ることとが指摘される反面、今後の成長力を不安視する声も上がっていること。また、自民党がゆうちょ銀に対して、預入限度額を引き上げる提言をしていますが、それによって民間企業が融資に資金を運用できなくなる危険性もあることが議論されました。郵政3社は今後の収益向上の道筋を具体的に提示し、株主や投資家を納得させる必要がありそうです。

もう一つの新聞発表では、八木さんが大型M&Aを米国がけん引しているという記事を発表してくれました。その特徴として、買収の対価として現金だけでなく株式交換を使う案件が目立っていて、コストを低く抑えられることや、完全子会社化が可能になるというメリットを指摘してくれました。またその手法として、株式の新規発行や株価が安いときに自社株買いをして金庫株にしておき、その株を使っている事例もあることを学びました。

文献輪読では、今週は日本銀行金融機構局が5月に発表したレポート「人口減少に立ち向かう地域金融」を山本君が報告してくれました。地方経済が疲弊化する下で、地域金融がどのような役割を担わねばならないのかがレポートされました。そのうえで、地域金融が人口減少という経営環境が厳しくなる中で、観光や旅行ビジネス、名産品を通じた地域経済を活性化や地域企業の海外進出の支援など地域企業の活性化も欠かせないことを学びました。また一方で、業務運営の効率化や経営統合も必要となるわけですが、その時には同じビジョンを持っていることが重要であるという議論がされ、地域企業の活性化のためには、財務諸表が読める人、多くの社会経験を積んでいることが必要なのではないかということが議論されました。