第10回ゼミ&第2回サブゼミ報告

6/26の第10回目のゼミは,株式会社上部(かみぶ)の代表取締役である土井大信さんをゲストに迎え,2回目のサブゼミが行われました.経営者としての考えや経験から思ったことを率直に話していただき,大学生として今,すべきことのヒントが得られと思います.土井さん,本当にありがとうございました.

新聞記事発表は,恩田さんが6/22の日経新聞の記事から『地銀・生保,海外融資に活路』,二ツ森さんが6/23の日経新聞の記事から『JT株売却見送り』という記事をそれぞれ取り上げて発表されました.前者では,「地銀が海外融資を増やしているのは,金融緩和のため利ザヤが少なくなったことに加え,メガバンクがリテールの領域に入り込んできている」ことが背景にあることを学びました.後者では,「JTにとって完全に民営化したときのメリットは大きいが,全量買い取り制度で保護されているたばこ農家との利害対立がある」ため,完全民営化は難しいなど記事よりも一歩踏み込んだ報告がされました.

『ザ・地銀』のレポート発表では,古松さんが第7章「人材マネジメント」の章を報告されました.地銀が長期ビジョンを実現するには,従来の行員像(まじめ,信頼できる)とは異なる人材(課題に挑戦する,付加価値を生み出す)を確保,育成しないといけないことを確認しました.そして,その方法として本書では,中途採用の実施や異なる組織への派遣などが指摘されていましたが,挑戦する人材を育てるには,「失敗を許す企業風土も必要ではないか」という補足が先生からありました.

サブゼミでは,土井社長のお話をお聞きしました.その内容は,起業するにあたって苦労したことや,経営者の視点から考えた「会社」についてであり,その後,ゼミ生からの質問タイムもありました.どのお話も経験からくる重みがあり,ためになる話ですが,二つに絞ってご紹介します.土井さんは大学に入学する前から経営者を目指していたそうですが,大学時代の土井さんはゼミの先生に「会社をつくるには仲間をつくるといい」と教えてもらい,誘いは断らないことを心掛け,自身が苦手に思う人や普段付き合わない人とも積極的に付き合うようしていたそうです.人とのつながりが財産になり,そのつながりに助けられ今があると仰っていました.もう一つは,「何か成果物を就職のときに持っていける人が就職には強い.大学の活動の中で何かアウトプットが出せる活動があるならぜひ参加してみた方がいい」と話されていました.お話を聞かせてもらって全体として,自分の視点をしっかり持ち,誠実に物事を考え続けているからこそ成功されているのだろうなと感じました.