10月2日のゼミ報告

10月2日の授業では、最初に二ツ森君が「ゆうちょ銀の出資解禁」の新聞記事について発表しました。ゆうちょ銀行が地方の活性化や中小企業の事業拡大のための投資ファンドを設立するという内容のもので、この出資が上手くいくかについて話し合いました。その中で中小企業への融資のノウハウが不十分であることや、投資リスクを管理する厳格な審査体制の確立が不可欠であること、実際には運用先が無いのではないかなどの指摘がなされました。

次に、古松くんが「資産運用、規模の競争にみずほ・第一生命が系列統合」の記事を発表しました。この記事は、みずほフィナンシャルグループと第一生命保険が系列の3社1部門を統合し、運用資産を増やして競争力を強化するという内容のもので、本当にこの再編が効果的であるかが議論されました。この議論では、運用会社側と金融機関側のそれぞれの役割や報酬をどのように分配するかについて整理し、投資信託の仕組みを学びました。そして、アメリカでは何十年も運用されているパフォーマンスのよいファンドがあるのに対し、日本の投信はそういうファンドがないこと.その理由として,運用会社よりも販売会社の方が立場が強く、シナリオ優先で商品が作られていたこと、販売会社も基準価格が上がれば顧客にそのファンドを売却させるため、運用資産の流出を招き、安定した運用が困難であったことが指摘されました.その上で,投信が本来高めるべきはパフォーマンスであろうとの指摘がされました。

レポート発表では、八木さんが「英国におけるチャレンジャーバンクとフィンテック」の内容をまとめました。英国において4大銀行の独占状態が続いていた中で、チャレンジャーバンクと言われる新規参入行や、金融ITを扱うフィンテックが脅威となっている状況や、それについての動向や課題、大手銀行の対応を整理しながら学びました。また、英国でチャレンジャーバンクやフィンテックが優遇される理由を、イギリスでは消費者の選択肢の拡大こそが尊重されているためであることを学習しました。