10月9日のゼミ活動報告です。

10月9日のゼミ活動報告です。

まず新聞記事発表では、柳澤さんが「生損保、介護市場で競う」という記事について発表されました。生損保会社が介護事業を拡大してきているという記事ですが、その理由として4つの点が考えられるということでした。その中でも、保険商品の差別化として既存事業との相乗効果が見込める「現物給付型保険」を視野に入れていることが大きな理由ではないかと報告されました。しかし、政府からの介護給付費を見込んでいることに不安があることや、たくさんの保険会社が参入すると競争が起こって収益性を下げるのではないかという懸念があることを先生から話していただきました。

次に山本さんが「株式公開、世界で急減」という記事について報告されました。アメリカの利上げや中国株式市場のバブル崩壊が原因で株の振れ幅が大きくなったことが原因であるという記事です。ただ、そもそも近年、IPO(新規株式公開)は中国企業に多く、その中国で数が減ったことが、世界全体としての数字も減少につながったとのことです。では、なぜ中国でIPOが減っているのか。一つには中国政府が需給を安定させるために、新規公開を中止させていること、また、企業側も株価が高いときにIPOを行えば少ない株数で目標資金を調達できますが、今の中国市場はそれとは逆の状況となっているので、IPOを行うメリットが少ないことなどを学びました。

続いて、今回のレポートは『野村資本市場クォータリー』2015年夏号掲載の「金融の破壊的イノベーションとFinTech」 (淵田康之)を、青木さんが報告されました。Disruption(業界や産業構造の激変)が起こる中で、金融分野のDisruptionとしてFinTechがあげられ、その特徴は多岐にわたりますが、そもそも従来の金融サービスでは満たされていなかったニーズへの対応が根底にあること、そして先週の報告でもあったイギリスのFinTechに対する取り組みや、それに比べて日本の現状、また今後どのような検討が求めれられるのか、といった内容でした。

まずFinTechが登場した理由として、金融危機以来金融機関がリスクを回避のため小規模授業者への融資を減少させたことが背景にあり、もともとITと金融の親和性が高かったことから発展してきました。金融機関が提供するサービスを細分化し、ニッチな分野で参入するFinTechですが、決済分野は言うまでもなく、ネットを介した融資仲介などにも広がっているとの報告でした。そして最後に金融立国構想をもつシンガポールの取り組みを先生から教えていただきました。