11月20日ゼミ、第5回サブゼミ報告
11月20日の授業では、公益財団法人国際青少年研修協会の関隆嗣さんにお越しいただき、第5回目のサブゼミが行われました。関さんには、国際青少年研修協会でのお仕事の内容や財団法人とはいったい何なのかといったこと、また、運輸倉庫業の人事業務のご経験から採用側が学生に求めているもの等々のお話をして頂きました。「子供の成長を間近見られることがこの仕事の楽しいところ」と明るく仰っていたことが印象的で、仕事に対して自分なりのやりがいを持つことが、一所懸命に仕事をする姿勢につながるのだと感じました。ご講演、誠にありがとうございました。
新聞記事発表では、先ず、ゼミ長の石塚君が「地銀も持ち合い株削減」という記事について発表しました。地方銀行のなかに、持ち合い株の削減について目標や方針を開示するところが現れたという記事です。石塚君が、株式持ち合いの目的やメリット、デメリットを説明し、その後、今回議長の柳澤君を中心として記事の内容に関連することの議論をしました。株式持ち合いは、解消すべきことなのかという事に議論が行き着き、「優良企業の株を保有している地銀は株式を手放したくないだろうし、持ち合いを解消するにしても、今まで築き上げてきた信頼関係もあるから縁を切るのは難しいのでは」という結論に至りました。次に青木君が「ATMを5割小さく」という記事を取り上げました。OKIが、スマホで画面を操作する、従来機より5割ほど小さいATMを商品化しようとしているという記事です。「キャッシュカード不要でスマホを使って引き出せるようになるなら、今までよりもスムーズに現金を引き出せるようになり、個人的に気になっていた機械に引き出しを急かされることも少なくなる面もあると思う」と意見を述べていました。議論では、ATMのセキュリティーについての話し合いがあり、「日本では、スマホにセキュリティーソフトを入れている人がまだ少なく、スマホを使うことはセキュリティー上安全なのか」といった意見や、「このATMを利用するために使うスマホのアプリにバグが見つかったら、このATMが全国で一気に使えなくなるという問題点があるのでは」といった意見がありました。
レポートの報告では、山本君が『入門日本金融史』という本の「第4章、明治期財政と金融制度の整備」をまとめてきました。日本の銀行の歴史についての内容であり、今回の範囲は、日本の金融が近代化する第一歩目のところです。アメリカのナショナル・バンク制を参考にした国立銀行条例が1872年に公布されたものの、国立銀行(国営でない)はしばらくの間広がりませんでした。条例により貸出にあてられる預金額が少なかったことや、国立銀行権は兌換銀行券だったことなどが原因です。1876年の国立銀行条例の改正により、不換紙幣の発行が認められたり、準備金が引き下げられたりしたため、国立銀行が一気に広がりはじめ、私立銀行も設立されるようになりました。1882年に当時の大蔵卿松方正義により日本銀行が設立され、それまで認められていた各国立銀行での紙幣発行権を日本銀行のみに認めるようになりました。この様にして、政府と紙幣の発行主体が分かれた近代的な金融制度が整えられていきました。
サブゼミでは、国際青少年研修協会の行っていることや、ご自身の担当されている仕事内容、就職に関すること等を関さんに話して頂き、ゼミ生からの質問にも気さくに答えて頂きました。話して下さった内容の一部だけですがご紹介します。国際青少年研修協会は、青少年の健全育成や国際感覚の獲得を目的としていて、国内外の研修プログラムを提供していること。2期連続して純資産額が300万円を下回ると解散しなければならない法律があるため、公益財団法人であり非営利組織ではあるものの、組織を維持するための利益は必要なこと。外で遊べる環境が少なくなり、子供の団体行動が減少していること。世の中に収入の格差が広がってきているなか、所得にあまり余裕のない方も含め出来るだけ多くの方にプログラムへ参加してもらいたいという思いを持ち、国際青少年研修協会のお仕事に携わっていること。公益財団法人をつくるには、先ず、一般財団法人を設立して実績を残す必要があり、設立のお金をどこから調達するのかという問題もあるということ。就活において、資格を持っている学生は好印象ではあるが、その資格を何のために持っていて、どの様な結果を得たのかを採用側は知りたいということ。企業は、自分で何か行動を起こす力を持っている人かどうかを見ていて、一番初めの挨拶で人物の印象がかなりの部分決まってしまうこと。以上が内容の一部です。
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