5月20日のゼミ報告(3期生)

5月20日のゼミでは,新聞記事の報告とテキストの報告を行った.

新聞記事は「保険ショップの不透明な手数料の見直し迫る」という記事でした。今回の討論では,保険ショップが顧客本位を強調していたにもかかわらず、その実態として保険会社からの手数料の高い商品を優先的に販売していたのではと疑念がもたれたことを踏まえ,保険ショップが保険会社から払われる手数料を開示することに賛成か,反対かで討論した.結論的には,手数料を開示すれば私たちも保険ショップを使いやすくなるのは間違いないので,手数料の開示は必要との結論に至った.

次に,テキスト報告では、大村,俊野著『證券論』第2章「株式会社制度と株式発行市場」について行った.経営者が事業を興すとき,自己資金に加え,身の回りの人から資金を調達する.その事業がある程度の規模に成長すると,従来の資金調達方法では,必要とする資金を調達できなくなる.そこで,広く世間一般から資金を調達ことを考える.そこで行われるのが証券取引所への上場(株式の公開)である.株式を公開するとき,何らかの方法でその値段(公開価格)を決めねばならないが,それには固定価格方式,入札方式,ブックビルディング方式の三つがある.最近は,適正な価格算定能力が高いと思われる機関投資家の意見を元にするブックビルディング方式が主流となっている.こうして決まった公開価格で,出資者が募られる.他方,証券取引所への上場後,初めて決まる価格を初値という.公開価格で購入し,初値で売却すれば,どれだけの収益性があったかを示すのが初値収益率と言われるが,これはどの国でもプラスであることが多く,投資家にとっては魅力的な投資機会となっている.また,企業は株式公開以外の方法でも資金調達を行っている.それが,追加的に株式を発行して資金を調達する増資である.本来,増資はその企業の将来の成長性を高める投資に振り向ける資金を調達する目的で行われるできものであるが,そうではない理由で増資をした場合,発行株式数だけが増えるので,株式の希薄化につながることが指摘されていた.(文責:上原)