7月1日のゼミ活動報告(3期生)

 今回の新聞記事報告では、コメダ珈琲店の東証一部上場について議論しました。コメダ珈琲店は現在中部地方を中心に出店していますが、今後は上場で企業の知名度を向上させ、フランチャイズオーナーや出店場所を確保し、店舗網を全国に広げたいほか、独自のサービスで顧客を確保したい考えです。なお、公開価格より高くなる場合が多い初値ですが、公開価格の5%安にとどまったということでした。これについて、コメダ珈琲店の高収益性を支えるものや、喫茶店のビジネスモデルの変遷を先生が説明してくれました。

 テキスト報告では、テキスト第7章の債券の発行・流通市場について議論しました。初めに債券発行方法の分類としては、まず、債券発行会社と投資家の間に引受会社と呼ばれる仲介者が存在する間接発行と、存在しない直接発行があります。また、二つ目の分類方法としては、不特定多数の幅広い層の投資家向けの公募方式と少数特定の投資家向けの私募方式があります。直接発行と間接発行の違いは、直接発行は発行体自身が投資家に直接債券を販売しなければならないのに対し、間接発行では引受証券会社が一旦全額購入もしくは売れ残りを購入することを約束し、引き取った証券を投資家に売り捌きます。したがって、間接発行は確実に発行体が希望する資金を調達できるところに特徴があります。

 次に債券流通市場についてです。債券流通市場には、証券取引所を通じて取引を行う取引所取引と、債券ディーラーや投資家の間で直接取引が行われる店頭取引があります。債券流通市場では、株式と異なり同一の発行体が発行した債券であっても、発行条件によって異なる銘柄となるため、しかも償還や新規発行で銘柄が常に入れ替わっているため、店頭取引での取引が圧倒的に多いのです。また、流通市場で債券ディーラーが投資家から債券を買う時の価格をビッド、売るときの価格をアスクと言います。債券ディーラーは投資家から債券を買い取ると、次に転売するまでその債券を在庫として持たねばなりません。その間、債券ディーラーは、価格変動リスクや信用リスクを取らねばなりません。そこで、同じ債券であっても、投資家から買い取る価格は相対的に低く、投資家への売却価格は相対的に高く設定し、利ザヤをとろうとします。この利ザヤのことをビッド・アスク・スプレッドということを学びました。

 最後にアメリカの債券市場についてです。アメリカの債券市場も、国債の発行額が大きい点は日本などと同様であるものの、社債やモーゲージ債など国債以外の発行額も多く、国債とほぼ匹敵する規模の債券が発行されています。このように、企業のファイナンス手段として、債券市場が活発に活用されているということでした。(担当:市橋)