今回の卒業論文の進捗発表は、柿崎君と私が行いました。
柿崎君は「日本における金融リテラシー向上に向けた教育改革」をテーマに、金融教育が進んでいるイギリスの事例と比べて遅れをとっている日本の金融教育の実状を紹介してくれました。イギリスでは、政府による金融教育の制度設計に加え、非営利団体による教材提供・教員指導等、国民の金融リテラシーを向上させるための包括的な仕組みが充実しているとのことでした。一方、日本では段階的に金融教育が進められているものの、教員の専門性の不足や非営利団体が抱える問題等、様々な問題が存在しているため、これらの問題を解決できるような提案を期待したいです。
私は、日本におけるキャッシュレス決済の普及に向けた取り組み事例として、政府による「キャッシュレス・ポイント還元事業」を挙げました。この事業により、中小店舗がキャッシュレス決済を導入するにあたり障壁となっていた決済端末の導入コストや加盟店手数料の負担が軽減され、一定数のキャッシュレス推進効果があったことを示しました。また、日本でよりキャッシュレス決済を普及させるため、AlipayやWeChatPayなどの等のQRコード決済が大きく普及している中国について深掘りしました。中国でキャッシュレス決済が普及した背景として、今回示したもの以外にも中国のAlipayでは、決済サービスだけでなく、資産運用サービスを提供したことが大きく関連しているとアドバイスいただいたので、今後さらに深掘りしていきたいです。(担当:西原)