金融とは資金余剰主体から資金不足主体に、効率的、円滑に資金の融通を行うためにあるものです。その資金融通の仕組みには二つあり、一つは銀行を介した間接金融です。他方、もう一つは市場を通じて資金配分をする直接金融です。このゼミがテーマとする証券市場は、直接金融、つまり投資家が応援したいと思う会社に、直接お金を提供するための市場です。ですから、証券市場は企業にとっては資金調達の場として、また投資家にとっては資金運用の場として活用されています。このゼミでは、証券市場を中心的な研究対象に学修していきます。
さて、このゼミでの指導は、2年生はテキストを用いて、証券市場の基礎知識を学びます。そして、3年生は2年生のときに学んだ知識を用いて、証券ゼミナール大会に出場します。そして、4年生で卒業論文を書きます。また、このゼミには三つの特徴があります。一つは証券ゼミナール大会には3年生が中心となって参加しますが、2年生、4年生も参加してもらうため、学年を越えたゼミ活動を行います。そのため、卒業生、上級生、下級生との交流が可能となります。そして、もう一つは、大学内だけで学修するのではなく、他大学のゼミとの合同ゼミや合宿、必要に応じて証券取引所や証券会社、投資信託委託会社などへの見学、ヒアリングなども行うことです。このように、このゼミでは座学とフィールドワークなどを通じて、理論と現実の両面から証券市場に関する知識をつけ、それを活かした論文を書き、さらに討論を通じて知識の定着を図っていくことを目指しています。
加えて、このゼミのもう一つの特徴として、さまざまな会社の方をゲストスピーカーに招いて、講演をしていただくサブゼミを、毎月1回程度行っていることが挙げられます。サブゼミでは、金融業界のみならず、メーカーや流通、マーケティング会社、商社、サービス業、ベンチャー企業、NPO、公務員など、ゼミ生の希望を聞きながら、ゲストの方に来ていただき、それぞれの業界の現状やどういう仕事をしているのかなど、就職活動に役立つ機会を設けています。
このように、このゼミは大学内で勉強するだけでなく、学外の大会への出場やフィールドワークなども行います。特に、証券ゼミナール大会への出場や他大学との合同ゼミなどを行うためには、一定レベルの論文を書く必要があります。ですから、ゼミの時間は厳しく指導します。また、このゼミはグループワークが活動の基礎となるため、嘘をつかず、言い訳をせず、最後まであきらめずに、根気よくグループワークに参加し、一生懸命勉強してもらわねばなりません。しかし、勉強だけがゼミではありません。JOYも必要です。ですので、ゼミ生が明るく、楽しく、親睦を深める機会も設けています。例年、BBQやゼミ合宿、懇親会、納会、修了式、OB会、さらには経済学部のソフトボール大会にも参加しています。したがって、このゼミは、「厳しく、明るく、根気よく」をモットーにして活動しています。このゼミに入りたいと思った人は、このゼミの運営方針が「厳しく、明るく、根気よく」であることをよく理解して、ゼミの面談を受けに来て下さい。
毎週のゼミでは、2年生には証券市場に関する基礎知識の修得、3、4年生には論文の執筆のための指導を行います。論文を執筆するためには、まず現実に起きている問題を理解し、それを自分なりに考えるプロセスが必要となります。そのため、毎週のゼミは二つのパートに分けて行っています。一つはゼミ生が、毎日「日本経済新聞」を読み、興味、関心のあった記事をスクラップし、その中から一週間の間に最も興味、関心があった記事を報告、他のゼミ生との討論を通じて、今、現実に起きている問題を考察します。他方で、テキストの輪読やグループワークの中間報告などと、それに対する質疑応答、討論などにより、証券市場、金融機関に関する理論的な考察を行っています。こうした二つの側面からのアプローチを通じて、現実に証券市場で起きている問題を論理的に考えていきたいと思っています。
なお、毎週のゼミの様子はこのホームページの活動報告や深見ゼミのfacebookで公開していますので、それもゼミ選択の参考にして下さい。